椎間板ヘルニア Herniated Disk
- 2023年12月13日
- 脊椎病変(Spine)
こんにちは!ブログ担当技師です。
今日は皆さんもよく聞いたことある病気「椎間板ヘルニア」の紹介です。
【椎間板ってどこ?】
椎間板とは、脊椎を形成している27~28個の椎骨(頸椎、胸椎、腰椎、仙骨、尾骨)のそれぞれの間に挟まっているクッション材のようなものです。
脊椎は首からお尻まで椎骨が縦に積み重なってできていますが、その骨と骨が当たってすり減らないようにしているのが椎間板です。
【ヘルニアって何?】
ヘルニア(Hernia)は「身体の中の一部が、あるべき場所から出てきてしまった状態」の総称であり、他には本来ならお腹の中にあるはずの腹膜や腸の一部が鼠径部(そけいぶ)の筋膜の間から皮膚の下に出てくる「鼠径(そけい)ヘルニア」などがあります。椎間板ヘルニアは「椎間板」があるべき所からはみ出してしまっている状態なのでヘルニアの名称が使われます。
重たいものを急に持ち上げたり、加齢によって弾力を失うと、椎間板は変形して椎体よりも外側に飛び出し、近くを走っている神経を圧迫することにより痛みやしびれが生じます。
椎間板ヘルニアの典型例は以下のようなMRI画像です。
右側のイラストは椎間板を横にスライスした図ですが、ヘルニアは正常図と比べて椎間板の内部にある髄核というゼリー状の組織が飛び出して、その後ろを走る神経を圧迫しているのがわかります。これが椎間板ヘルニアの主な痛みの原因です。
ヘルニアを発症すると腰の痛みの他にも以下のようなさまざまな症状があります。
・太ももやふくらはぎの痛みやしびれ
・背中を丸めたり、前屈みになると腰の痛みやしびれが強くなる
・長時間つらくて立てない/座れない
・下肢の感覚が鈍い
・排尿障害(排尿しにくい/失禁/頻尿)
椎間板はレントゲンには写らないため、MRIがこの病気を診断するのに最適な検査法となります。
検査時間は15分ほど、仰向けで検査台に寝ているだけですが、動きに弱い検査であるため痛み等で動いてしまうと画像が乱れてしまい診断が難しくなります。
腰の痛みや脚のしびれがある場合は是非椎間板ヘルニアを考えたMRI検査をおすすめしますが、痛みがひどい場合は医師や検査技師などに相談してみましょう。