トリプシンとIPMN(膵管内乳頭粘液性腫瘍)|新大阪画像の森診断クリニック|MRI・CT画像診断クリニック

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トリプシンとIPMN(膵管内乳頭粘液性腫瘍)

トリプシンとIPMN(膵管内乳頭粘液性腫瘍)|新大阪画像の森診断クリニック|MRI・CT画像診断クリニック

みなさんこんにちは!

ブログ担当技師です。

今回は、「トリプシンとIPMN(膵管内乳頭粘液性腫瘍)」について、当院のドック検査で見つかった症例をご紹介します。

トリプシンは、膵臓で作られる消化酵素の一つです。

膵炎や膵管閉塞、膵液のうっ滞、外傷、腫瘍などによって膵組織に障害が生じると、血液中のトリプシンが上昇することがあります。

また、IPMN(膵管内乳頭粘液性腫瘍)では、腫瘍が産生する粘液によって膵液の流れが滞り、トリプシンが上昇する場合があります。

今回ご紹介するのは、当院のドック検査でトリプシン高値をきっかけにIPMNが発見された症例です。

■トリプシンとは?

トリプシンは、膵臓で作られ、食べ物に含まれるタンパク質の消化に関わる酵素です。

通常は膵液として膵管を通り、十二指腸へ分泌されます。

しかし、膵臓や膵管に異常が生じると、血液中のトリプシンが高くなることがあります。

【トリプシンが上昇する主な原因】

・膵炎
・膵管閉塞
・膵液のうっ滞
・膵臓の外傷
・膵臓の腫瘍

また、アミラーゼ、リパーゼ、エラスターゼなど、ほかの膵酵素も同時に上昇することがあります。

ただし、トリプシン高値だけでIPMNや膵臓癌と診断できるわけではありません。

■IPMN(膵管内乳頭粘液性腫瘍)とは?

IPMNとは、膵管内に発生し、粘液を産生する特徴を持つ腫瘍です。

IPMNが産生する粘液によって膵管が塞がれたり、膵液の流れが滞ったりすることがあります。

その結果、膵臓に負担がかかり、トリプシンなどの膵酵素が上昇する場合があります。

IPMNは良性の状態で経過するものも多い一方で、
悪性化(癌化)する可能性があるため、注意が必要な病変です。

■MRI検査で見つかったIPMN

それでは、実際のMRI画像を見てみましょう。

今回の画像は、MRCP(MR胆管膵管撮影)というMRIの撮影方法で得られた画像です。

MRCPは、胆管や膵管など、液体が流れる管の構造を描出するのに適した検査です。

【図①:MRCP画像】

図① MRCP画像 IPMN(膵管内乳頭粘液性腫瘍)

図①は、胆管・膵管を描出したMRCP画像です。

白く描出されている部分は、胆汁や膵液などの液体を含む構造です。

次に、同じ画像に色を付けて、それぞれの位置を確認してみましょう。

■図②:総胆管・主膵管・IPMNの位置

図② MRCP画像 黄色は総胆管、赤色は主膵管、緑色はIPMN

図①と図②は、同じ角度から見たMRCP画像です。

図②では、それぞれの構造を色分けしています。


黄色:総胆管
赤色:主膵管
緑色:IPMN

総胆管は、肝臓で作られた胆汁を十二指腸へ運ぶ管です。

主膵管は、膵臓で作られた膵液を十二指腸へ運ぶ管です。

そして、緑色で囲んだ部分がIPMNの病変部です。

このように、MRCPでは胆管や膵管の走行、拡張、嚢胞性病変などを確認することができます。

■IPMNにはどんな症状があるの?

IPMNは、多くの場合、無症状で経過します。

そのため、健康診断や人間ドック、ほかの病気の検査をきっかけに偶然発見されることがあります。

一方で、粘液による膵管閉塞が進行し、膵炎を発症すると、次のような症状が現れることがあります。

・腹痛
・背部痛
・発熱

また、IPMNが悪性化した場合や、病変によって胆管が圧迫された場合には、黄疸や体重減少などの症状がみられることがあります。

症状がなくても、IPMNには悪性化する可能性があるため、定期的な画像検査による経過観察が重要です。

IPMNについては、以前の症例ブログでもご紹介しています。

詳しく知りたい方は、こちらもご覧ください。


肝血管腫 Hemangioma +膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)

■トリプシン高値とIPMNの関係

今回の症例では、ドック検査でトリプシンの上昇を認めたことが、IPMN発見のきっかけとなりました。

IPMNでは、腫瘍が産生する粘液によって膵管の流れが妨げられ、膵液がうっ滞する場合があります。

そのような変化によって膵組織に負担がかかると、血液中のトリプシンが上昇することがあります。

ただし、トリプシンの上昇にはさまざまな原因があるため、血液検査の結果だけでなく、MRIなどの画像検査を組み合わせて評価することが大切です。

■当院のドックで膵臓の病気を見つける意義

当院のドックでも、今回の症例のようにIPMNが発見される例が複数あります。

膵臓癌は、「サイレントキャンサー」と呼ばれることがあり、自覚症状が乏しいまま進行することが多い疾患です。

健診での腫瘍マーカーや膵酵素の上昇などをきっかけに、精密検査で病変が発見されることもあります。

また、IPMNの評価には、胆管や膵管を詳しく観察できるMRCPが有用です。

症状がない段階でも、必要に応じて画像検査を受けることが、病変の発見や経過観察につながります。

ほかの「サイレントキャンサー」については、こちらの症例ブログでもご紹介しています。


MRI検査で見つかった前立腺癌

■症状のある方は保険診療でご相談ください

腹痛や背部痛などの症状がある方や、健診で膵酵素の異常を指摘された方は、医師の診察により、必要に応じて保険診療で検査を受けられる場合があります。

気になる症状や検査結果がございましたら、どうぞお気軽に当院までご相談ください。

電話番号:06-6990-6070

ホームページ:
新大阪画像の森診断クリニック 公式ホームページ

■まとめ

今回は、トリプシン高値をきっかけにIPMNが発見された症例をご紹介しました。

・トリプシンは膵組織の障害によって上昇する膵酵素の一つ

・IPMNでは、粘液による膵管閉塞や膵液うっ滞がトリプシン上昇の原因となる場合がある

・IPMNは悪性化(癌化)の可能性があるため、定期的な画像フォローが重要

・IPMNの評価には、胆管や膵管を描出するMRCPが有用

膵臓の病気は、自覚症状がほとんどないまま経過することがあります。


健診でトリプシンやアミラーゼ、リパーゼ、エラスターゼなどの膵酵素の上昇を指摘された場合は、必要に応じて詳しく調べることが大切です。

膵臓の状態が気になる方は、ぜひ一度当院へご相談ください。

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