LEGH (分葉状頸管腺過形成)
- 2023年11月8日
- 女性骨盤部病変 (Female Pelvis)
こんにちは!ブログ担当技師です。
今回は心窩部痛でCT検査に来られた患者さんに偶然見つかった所見の紹介です。
患者さんの症状と関連した病変はありませんでしたが、骨盤部CTで撮像した子宮になにかが映っていました。
上の画像は患者さんの骨盤部CTの縦切り画像(矢状断・・・画面左がおなか側、画面右がおしり側)ですが、子宮の下側部分にグレーの丸(赤矢印)がありますね。このあたりは子宮頸部なのですが、どうやらのう胞がこのあたりにいくつかあるようです。
ちなみにイラストでは子宮が前に倒れていますが、CT画像では後ろに倒れていますね。どちらも正常ですが、子宮の向きには個人差があり、前倒れのものを前屈子宮、後ろに倒れているものを後屈子宮といいます。
今度は輪切り(横断像)のCT画像をみてみましょう。
子宮(厳密には子宮頸部)に複数の暗い影がみえますね。これがのう胞です。
のう胞は液体のかたまりであり特に悪さをするものではないので、ほとんどの場合ほっといて良いものなのですが、子宮頸部にできるのう胞には数種類あり、稀ではありますが悪性のものもあるのでしっかりと画像検査で鑑別することが大事です。
今回のケースはのう胞の位置や形状からLEGH(分葉状頸管腺過形成)である可能性が高いという診断でした。
上記のように悪性に伸展する可能性もあるため、今は問題ないですが念のためMRIでの精査とフォローアップが必要です。
このように、患者様の症状とは関係ないところで偶然見つかる所見をわたしたちは毎日のように見ています。ほとんどの身体の変化は症状なく進行していくものなんだなあと実感し、もしこれが悪性の病気やがんだったら・・・とはっとさせられます。日々ドックや健康診断の重要さを痛感する技師メンバーでした。
ではまた次回!