膵臓がん Pancreatic cancer
- 2025年5月16日
- 腹部病変 (Abdomen)
みなさんこんにちは!
ブログ担当技師です。
だんだん暑くなってきましたね!
ですが、もう少しで梅雨入り…
気温差もあるかと思いますので、体調にはお気を付けください。
今回は、膵臓がんについてご紹介します。
膵臓がんとは膵臓から発生する腫瘍で、原因がはっきりしていないがんです。
ですが、膵臓がんの発症に関連するリスクについてはいくつかあります。
・遺伝性
・膵疾患
・糖尿病
・肥満
・大量の飲酒
・喫煙
上記のリスクをおさえていただきまずは、膵臓の解剖をご紹介します!
(体を前から観察した画像です)
膵臓は、胃の後ろにあり、長さは約15㎝程の臓器です。
膵臓の働きには、大きく2つに分けられます。
1.食べ物を消化する膵液を作り、十二指腸に送り出す。
膵液に含まれる消化酵素が、たんぱく質・炭水化物・脂肪を分解、消化を促進します。
2.血液中の糖分の量を調節するホルモンを作り、血液の中に送り出す。
次は、CT画像をお見せします!
上の画像は、CT検査の造影画像です。 左側が造影剤を注入してから30秒後(早期相)、
右側が注入してから150秒後(後期相) になります。
30秒後の画像〇の中に高信号(白色)の塊があるのが分かります。 ですが、150秒後の画像では高信号ではなくなっています。(灰色)
がんは血流が速いため造影の検査では、早期に染まりすぐウォッシュアウト (洗い出し)
されるため、早期相では高信号(白色)・後期相では低信号(灰色)になります。
上記の造影パターンからこの塊が腫瘍という診断になりました。
膵臓がんは初期症状がありません。 なので早期発見が難しいがんです。
手術も難しく、再発も多いがんとして知られています。
膵臓がん生存率は、早期発見と進行期で発見するのでは生存率が大幅に違ってきます。
ステージⅠ全体で見ると、5年生存率は約40~50%、 ステージⅣになると生存率は
約1~2%まで落ち込みます。 ですが、腫瘍サイズが1cm以下の段階で早期発見できれば、
5年生存率は約80%に達すると報告されていますので、いかに早く見つける事が
重要なのかが分かります。 進行していくと、腹痛・食欲不振・黄疸・背中や腰の痛み・
体重減少・吐き気などで 見つかることが多いです。
上記の症状は、ほかの病気でも起こりやすいので診断が難しいです。
また、膵臓がんは50代から少しずつ増加し、60代以降急激に増加しています。
膵臓がんの治療法には、手術・薬物療法・放射線治療・緩和ケアがあります。
がんの進行度・患者様の希望・生活環境・年齢等も踏まえ治療法が決められます。
膵臓がんは、見つかった時にはステージⅣと進行していることが多いです。
ステージⅣでは生存率が低くなっているので、定期的な検査が大事です!
当院では、「肝・胆・膵臓ドック」という検査があります。
MRIとCT、採血で検査を行っておりますため、是非ご検討をお願いします。
また、何かご質問や不安点ございましたらお気軽にお問い合わせください。
今回は、膵臓の悪性腫瘍についてご紹介しましたが、膵臓には良性腫瘍もございます。
詳しく調べたい方は、こちらをご参照下さい。
https://gazounomori.com/blog/ipmn/
では、次の症例ブログで!