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画像のMoRI診断クリニックLABO_画像のMoRIの世界へようこそ_MRIの時間

はじめに:画像のMoRIの世界へようこそ

こんにちは。画像のMoRI診断クリニックLABO担当技師です。このブログでは、MRI(磁気共鳴画像)に関するちょっとした豆知識や、画像に現れる不思議な現象について、可能な限りわかりやすくご紹介していきます。

今回はMRI検査の『時間』について触れたいと思います。
MRI検査を受けられた方は「なぜこんなに時間がかかるの?」と感じたことはありませんか?その背景には、物理原理と診断情報の最適化が深く関わっています。
今回は、MRIの『時間』の秘密に迫ります。

 

MRI検査の「時間」をほどく

CT検査より長く感じるMRI検査。その「なぜ長い?」は、画像の“材料集め”である k-space(k-空間)をコツコツ埋めていく物理的な面と、画質との 綱引きにあります。時間は単なる待ち時間ではなく、コントラスト、分解能、歪み、ノイズのすべてとトレードオフになる重要な設計パラメータなのです。

 

撮像時間はどう決まるか(ざっくり式)

◆2D撮像(例:FSE/TSE)

T≈(TR×N_phase×NEX)/(ETL×R)

 ・TR: 反復時間

 ・N_phase: 位相エンコード方向のサンプル数(マトリクス)

 ・NEX(NSA): 加算回数(SNR↑) 

 ・ETL: エコートレイン数(FSEの効率)

 ・R: 高速撮像技術(SENSE/GRAPPAなど)

 ●補足: 2Dは多くのスライスを1つのTR枠の中で回すため、通常はスライス数が時間に直結しにくい。ただしスライスが多すぎてTR内に収まりきらないと時間が伸びる。

◆3D撮像(例:3D GRE/SPACE/CUBE/VISTA/isoFSE)

T≈(TR×N_phase×N_slice(enc) ×NEX)/(ETL×R)

 ●3Dは“体積”としてk-spaceを埋めるため、位相方向に加えスライス方向のエンコード数も時間に効いてくる。

 

時間が延びる実務的要因

撮影時間が伸びる要因

✓ 高分解能(細かいマトリクス、薄いスライス)

✓ 高NEX(微小病変が対象の場合、高分解能化による画像ノイズが増加する為必要になる)

✓ ゲーティング(呼吸/心電同期)が必要な検査(腹部/心臓/胸部縦郭等)では効率低下、不整脈

✓ 金属アーチファクト低減技術使用の場合

✓ SAR制限(特に3TのTSE系)でTR延長や制限

✓ 再撮影(体動・嚥下・咳・眼球運動)

✓ 数多くの検査シーケンスを撮像する

 

時間短縮への挑戦:革新的な技術の進化

撮影時間を短くする技術

※ 短くすることでのデメリット(トレードオフ)が画像に必ず現れる。

✓ 高速撮像シーケンス:

  FSE/TSE(高速スピンエコー)やEPI(エコープラナーイメージング)など、1回のRF励起で複数の信号を効率的に収集する技術。

✓ パラレルイメージング :

  複数の受信コイルで物理的にデータを並行収集。k空間サンプリングを削減し、再構成で補完することで大幅な時間短縮(例: SENSE, GRAPPA)。

✓ 圧縮センシング & AI画像再構成:

  圧縮センシング: データのスパース性を利用し、最小限のk空間データから高画質画像を再構成。

  AI(深層学習)画像再構成: 低データ量・低SNRのデータから、学習済みのAIモデルが高SNR・高解像度の画像を生成し、撮像時間の大幅短縮と画質向上を両立。

 

「時間」を味方にするための要点

➤ 検査の目的に応じて、どのシーケンスを優先するかをスタッフ間で共有することが、効率と画像品質担保の両立につながります。

➤ 高速化技術の適用は、画質とのトレードオフを理解した上で使用する。SNR の低下が許容できるか、アーチファクトのリスクをどう管理するかがポイントです。検査時間が短い=良い検査、長い= 良い画像ではなく、検査の目的に合った画像を提供するために、装置のスペックを最大限に引き出せているかが重要です。

➤ 患者さんの快適さと協力は、実際の撮像時間の短縮に直結します。検査前説明と適切なサポートが重要です。

MRI検査の『時間』は、診断に必要な情報量を最大限に引き出すための必然であり、同時に各装置メーカーの最先端技術が絶えずその限界を打ち破ろうとしている挑戦の最前線です。

 

あとがき:これからも「一味違う」画像を

皆さまお楽しみいただけましたでしょうか?次回もMRIの豆知識や検査のポイントをどんどんお伝えできればと思います!

「ここで撮った画像は、なんだか見やすいね」そう言っていただけることが、非常に嬉しい瞬間です。

これからもスタッフ一同、自己研鑽を続け、患者さんや医師にとって価値ある画像を提供できるよう努力してまいります。

― MRIの可能性はまだまだ広がっています ―

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