非浸潤性乳管癌 Ductal Carcinoma In Situ(DCIS)|新大阪画像の森診断クリニック|大阪の画像診断専門クリニック

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非浸潤性乳管癌 Ductal Carcinoma In Situ(DCIS)|新大阪画像の森診断クリニック|大阪の画像診断専門クリニック

非浸潤性乳管癌 Ductal Carcinoma In Situ(DCIS)

こんにちは!
ブログ担当技師です。

夏もいよいよ終わり秋が近づいてきましたね。
今年も暑かった…!!!
皆様は元気にお過ごしでしょうか。
夏バテなど大丈夫でしょうか。
まだしばらくは猛暑が続くと思われますので、くれぐれもお体ご自愛下さいませ。
さて、7月のブログで乳がんについてご紹介しました。
乳がんにもいくつか種類があるのですが、今回は「DCIS」についてご紹介します。

DCISとは非浸潤性乳管癌のことを指します。
英語ではDuctal Carcinoma In Situと書くので、各単語の頭文字をとって「DCIS(ディーシーアイエス)」と呼ばれています。

非浸潤?
何だか難しそうな言葉に見えますが、どういうことなのでしょう?
前回のブログでもご紹介した乳房の解剖を見ながらおさらいしていきましょう。

乳がんは約90%以上が乳管、約5~10%が小葉から発生するんでしたね。
DCISは乳管に発生するがんです。

下のイラストを見てください。
乳腺を拡大した図の青い線がDCISの病変部を現しています。

DCISは乳管内で発生したがん細胞が乳管の走行に沿って成長・進展していきます。
まだ病変が乳管からはみ出さずに留まっている状態です。
この状態を「浸潤していない」=「非浸潤」といいます。

【乳腺を横から見たイラスト】

では、実際の症例画像を見ていきましょう。
下の画像は乳腺造影MRIの画像です。

(左端イラストの緑の線が断面の位置です。)

【乳腺造影MRIの画像】

左の乳腺の内側にポツポツと白く斑点状に写っているところがあるのがわかります。 (黄矢印、赤丸の部分)

この白く写っているところ(造影剤が集まっているところ)がDCISの病変部なのですが、もう少しわかりやすい画像を見てみましょう。

下の画像は撮影したデータを使用して乳房全体を観察しやすくなるようにワークステーションで画像処理(MIP処理)しています。

【乳腺全体を下・前から見た画像】

この画像を見ると、木の枝のように分かれている乳管の中に病変があり、
その走行に沿って病変が広がっている様子がわかります。

横向きの画像も見てみましょう。
左右で比べると病変部がよりはっきりとわかります。

 

【左右の乳腺】

DCISは早期の乳がんであり、乳管の中に留まっている状態なので他の臓器に転移するリスクが非常に低い段階です。
この段階で発見・治療(手術) できれば完治が見込まれます。

しかしDCISは早期のがんであるがゆえにほとんど症状がありません。
中には検診のマンモグラフィで石灰化が見つかってわかったり、DCISの病変がある程度の大きさまで成長すると胸にしこりのようなものが触れる、乳頭から血液の混じった分泌物が出る等の症状がでる方もあります。

DCISの病変が成長するといずれ乳管の外に広がり(浸潤する)、リンパ節や他の臓器に転移するリスクが高くなってしまいます。
DCISは触診での判断が難しいとされています。
早期発見のために日頃からご自身の乳房の状態をチェックし、定期的に検診やドックを受けていただくことをおすすめします。

症状はないけど乳腺の状態が気になる…という方向けに乳腺ドックのメニューがございます。乳腺の検査はMRI検査だけでなくマンモグラフィや超音波検査などがあり、どの検査もそれぞれにメリットがあります。
◆MRI
•乳房全体を観察しやすい
•被ばくがない
•乳房を圧迫しないので痛みがない
•腫瘍と正常組織の鑑別に優れている
◆超音波
•被ばくがない
•乳房を圧迫しないので痛みがない
•リアルタイムで観察が出来る
•高密度乳房(デンスブレスト)の検出に優れている

症状のある方は保険診療での検査も行っており、乳房の認定資格を持った
医師や技師が詳細に検査を行い病気をお調べいたします。お気軽にご相談くださいね。

では、また次のブログでお会いしましょう!

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