上行結腸がん Colorectal Cancer|新大阪画像の森診断クリニック|大阪の画像診断専門クリニック

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上行結腸がん Colorectal Cancer|新大阪画像の森診断クリニック|大阪の画像診断専門クリニック

上行結腸がん Colorectal Cancer

こんにちは!ブログ担当技師です。

年末も近づいて参りました!楽しいイベントが続きますが皆様食べ過ぎ飲み過ぎには気をつけてお過ごし下さい 😋

 

今回の症例は腹部飽満感でCTの検査を依頼いただいた患者様です。

ちなみに当院では、個人で来られる患者様に向けた自費診療の人間ドックの他にも、CT・MRI・エコーの設備がない他院様からの保険診療での検査依頼を受けています。

その場合は患者様は当院で検査を受けて頂き、後日依頼元の医院様で検査結果をお聞き頂く流れとなります。

実はアメリカ等他国ではこのようなシステムが一般的であり、個人のクリニックでは診察までを行い、検査は画像検査専門のクリニックに依頼することで、プロの技師や放射線科医が検査・診断できるため効率よく的確に治療が進みます。日本では「画像診断クリニック」はまだ聞き慣れない施設かもしれませんが、実は患者様・クリニック様にとってはほぼメリットしかない合理的なシステムなのです!

もちろん個人の方が画像検査を希望されて他院を通さずに来院されることもあり、症状がある場合は保険診療となりますので当院で診察後そのまま画像検査を受けて頂くこともあります。

 

話が逸れてしまいましたが、以下が今回の患者様のCT画像です。

オレンジの線で囲んでいるところは全て腸がみえています。イラストのように腸はまっすぐ進んでいるわけではなく、実際はぐにゃぐにゃ曲がりながらお腹を一周しているので、この断面では輪切りにみえているところもあれば縦切りになっているものもあります。

ここで一つ異常がみつかりました。向かって左側(患者さんの右側)の輪切りになっている腸に注目して下さい。

正常な腸壁は壁が薄く、空洞部(黒部分、便が通るところ)がほとんどを占めています。反対に空洞部が狭く、腸壁(灰色部分)が分厚いと浮腫により壁の肥厚があると考えられ、腫瘍病変や炎症が疑われます。

縦切り画像でもはっきりこのあたりだけ腸壁が肥厚しているのがわかります↓

そして、壁の肥厚だけではなく、腫瘍があるように映し出される部位も認められました↓

周辺のリンパ節もぽつぽつと見え、この部位の炎症に反応して腫れているようにみえます↓

この患者様は上行結腸がんが疑われるとの診断がつき、内視鏡検査等の精査または造影CTを考慮していただくよう依頼元の医院様にレポートをお返ししました。

【上行結腸ってどこ?】

胃に入った食べ物は十二指腸を経て小腸に送られ、必要な栄養分を吸収した後大腸に送られます。大腸は人間のおなかを時計回りに一周していて、

●体の右側を下から上にのぼる大腸=上行結腸

●体の真ん中を右から左に横向きにわたっている大腸=横行結腸

●体の左側を上から下に伸びる大腸=下行結腸

その後S字結腸、直腸と送られ、便として排出されます。

すべての場所においてがんが見つかる可能性はありますが、大腸がんの10人に1人は上行結腸にがんが発生します。

 

 

実は今回の単純CTだけではがんと断定することは難しく、内視鏡などで組織を採取しその部位に癌細胞があるかどうかを検査してから初めて大腸がんであると確定診断がつきます。

しかしはじめから内視鏡や生検をするには患者様の負担も多くなるため、非侵襲であり5分ほどでできるCT検査をスクリーニングとして行うことが推奨されます。

最近のCTでは医療技術の進歩により被曝線量がかなり少なくなっており、一度検査を受けるだけでは健康被害の心配もまったくありません。

なにか気になる症状がある場合は放っておかずにすぐ検査を受けることをおすすめします!意外なところに意外な病気が潜んでいるかもしれません。

 

それではまた次回!👋

 

 

 

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