前頭葉萎縮 Frontal Lobe Atrophy|新大阪画像の森診断クリニック|大阪の画像診断専門クリニック

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前頭葉萎縮 Frontal Lobe Atrophy|新大阪画像の森診断クリニック|大阪の画像診断専門クリニック

前頭葉萎縮 Frontal Lobe Atrophy

こんにちは!ブログ担当技師です。

最近春のような冬コートのいらない暖かさで逆に何を着ようか迷ってしまいます。
とはいえ朝晩は冷え込みつつ、電車の中などは蒸し暑いくらい温度差がありますので脱ぎ着しやすいものを上に羽織るといいですね!
少し体調を崩すと、すかさずインフルやコロナにかかってしまう可能性が高い時期ですので皆様お気をつけ下さい。

 

それでは今回の症例です。
みなさん「認知症」は聞いたことのある言葉だと思いますが、実際どのように脳が変化して認知症になるかご存じですか?
認知症とは脳の神経細胞が次第に衰えて死んで減少してしまい、脳のサイズが萎縮(小さくなること)してしまうことにより発症します。

また細胞が減る場所によって萎縮する場所も変わるので、全体的に小さくなることもあれば一部分だけ縮んでしまうこともあります。

今回紹介する患者様は当院の脳・認知症ドックを受けられた方で、特に現在症状などはなかったのですが、MRI画像に異常がみられました。

こちらが患者様の脳のMRI画像ですが、脳と頭蓋骨のスキマに注目してみてください。

写真上側が前(顔側)なのですが、脳の前側だけスキマ(黄枠部分)がひろがっているように見えます。

健常者とも比較してみました。

比べてみるとわかりやすいですね!今回の患者様には頭部前側にスキマが多くあり、その部分は脳脊髄液で置き換えられています。

前側だけの萎縮なので、「前頭葉萎縮」と診断がつきました。

前頭葉は頭の前側に位置し、思考・運動・言語を司るほか感情のコントロールや常識・価値の判断を担っている場所でもあります。

ここが萎縮してしまうと、性格が変わってしまったり常識的な判断ができなくなったりする可能性があります。

 

 

ただここで間違ってはいけないのは「認知症の症状が出ている=脳の萎縮がある」ですが「脳の萎縮がある=認知症」ではないということです。

人間の脳組織は加齢と共にだんだん萎縮していくものなので、年配の方で脳の萎縮が進んでいても認知症の症状がない方もいらっしゃいます。

今回の患者様も特に何も認知症を疑う症状はないということだったので、「早い内に認知症になる」などと断定せず、定期的なフォローアップで様子を見ていくこととなりました。

ただアルツハイマー型の脳萎縮傾向がみられた場合など、早めの治療をすることにより病気の進行を止めることができる場合はすぐに投薬などの対応をとったほうが良いこともあります。

そのあたりの判断をするのが私たちの仕事!安心してよい良性所見はしっかり説明したのち定期的な検査のみとし、すぐに対応が必要な所見については処置ができる病院を紹介することによって患者様が少しでも早く治療に進めるよう徹底しています。

 

ちなみにこの患者様には脈絡叢のう腫という良性腫瘍もありましたが、4年前に一度他院で撮影していたMRIの結果から大きな変化がないため、こちらも1年に1度程度の検査でフォローしていくこととなりました。前回の検査結果をお持ちの方はその結果と比べることも大切です。

今なにも気になることがなくても、現在の自分の体の中を知っておくことはとても大事です!当院で撮影した検査画像は半永久的に保存されますので、一度今検査しておいて、もしなにかあった場合に検査をしてから過去の画像と見比べることによって正確な診断がつきやすくなります。

 

ではまた次回の症例ブログでお会いしましょう!

 

 

 

 

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