舟状骨骨折 Scaphoid Fracture|新大阪画像の森診断クリニック|大阪の画像診断専門クリニック

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舟状骨骨折 Scaphoid Fracture

こんにちは!ブログ担当技師です。

時間の流れは早いもので、もうあっという間に3月です!

もうすぐ桜の季節になって春もすぐそこですね!

今回は意外と多い手首の骨折についての症例を紹介します。

 

この患者様はバレーボールをプレー中に負傷され、レントゲンでは異常を認めなかったものの手首を曲げたときや物を持ったときに痛みを感じるため精査目的でMRI検査に来られました。

当院で手首のMRIを撮影したのですが、手首にはまあそれは沢山の種類の骨が存在しています。

これらの手首まわりにある小さい石のような骨を総称して「手根骨」と呼びますが、このあたりが一番外からの外傷を受けやすく骨折もしやすい場所でもあります。

では今回の患者様のMRI画像を見てみましょう!

STIR, T2, T1というのはMRI画像の撮り方ですが、これらは全て同じ角度・同じ切り口(スライス)の画像です。

これだけではなかなかわかりにくいと思うので、正常例と比べてみましょう。

よーくみてみると、手根骨のうちの一つ「舟状骨」にヒビ?がはいっているように見えます。正常例では今回のMRIでみられた線はありませんね。

別の撮り方での比較画像はこちらです↓

問題の骨だけ明らかに画像上での色の濃さが違いますね。これを私たちは「輝度変化」と呼び、その部分に浮腫(炎症)があることを示しています。どの細胞でも損傷する(=炎症が起きる)とそのまわりが浮腫(腫れる)ため、脂肪・骨・筋肉等にかかわらず炎症が起きているところには輝度変化が起こります。今回は骨折により舟状骨の細胞がダメージを受け、浮腫が起きていると推測できます。

さらに別の撮影方法で同じ切り口をみると、明るさの違いがはっきりわかりました↓

たくさんの石ころのような骨の中でひとつだけ白く光っている骨がありますね。これが「舟状骨」であり、今回の痛みの原因です!

このようにいろいろな種類でいろいろな角度から撮影することによってすこしずつ「証拠写真」を集め、最終診断に導きます。

今回の症例では骨折による骨のズレなどはないため、手術はせずに固定だけで済みそうな軽度なものでしたが、その場合逆にレントゲンでは骨折とは分からないこともあるので注意が必要です。

骨折してないからほっとけば治る、と言われていたのに実際MRIを撮ってみると折れていた、なんてこともあります。

 

【舟状骨骨折について】

舟状骨は8個の手根骨(手関節にある靭帯で結合された骨の総称)のうちの一つであり、親指側の橈骨(腕の骨)に一番近いところに位置しており、手を反らすようにまげると手で触れることができます。このためこけて手をついた時やスポーツ時に最も衝撃を受けやすく、手根骨のなかでも一番折れやすい骨でもあります。

 

 

 

当院でも転倒やスポーツ後の手首の痛みで来られた患者様の手関節MRIはたくさん撮ってきましたが、舟状骨の骨折は頻度が多い印象です。

このあたりの骨は一度折れると治りがおそく、長いこと固定が必要になることもありますので、こけて折ってしまわないよう皆様も十分気をつけてくださいね!

以上今回の症例ブログでした!また次回!

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